慢性期の患者と向き合う看護師の仕事とは

日本の医療では、患者の状態によって、高度急性期、急性期、回復期、慢性期に分けられている。その中で慢性期とは、病状は安定しているものの、治癒が困難な状況のことを指す。そのため、看護や治療などが長期的に必要になってくる。脳卒中などで寝たきりの患者もおり、糖尿病や心疾患などを併発していることもあるため、幅広い範囲でのケアが必要だ。慢性期の代表的な疾患については、こちらを併せて読んでおくと良いだろう。

一方で患者の中には、長い間病と共に生活しており、痛みや症状にも慣れてしまっているケースもある。そのため、自分から症状を訴えることがない。看護師には場合もあるのだ、そのような状況の中でも普段とは違う様子はないか、しっかりと患者を観察をする能力が求められる。慢性期の患者を診る病院で働いている看護師の仕事は、食事の介助や産褥部分の処置、バイタルチェックなど、ルーティン化されていることが多く、その中でどれだけ些細な気づきを見つけられるかが重要になってくる。そして、変化が起こった際には臨機応変に対応することが重要だ。

加えて、病と一緒に残りの人生を過ごそうとする患者、その家族のメンタル面でのケアも必要だ。今の状況を少しずつ受け入れて、これから起こりうる状況のことや今後の生活のことなどを考えられるようになるために、看護師としてケアを行う。自宅で介護したいという家族がいれば、その家族に対して、患者に必要な処置やオムツ替えなど、在宅介護に必要な指導なども行うことになるだろう。