看護師が慢性期病棟で働くときにはせっかちにならないように気をつけ、十分に忍耐力を持つことが必要である。何かと仕事の多い急性期病棟のように、可能な限り迅速に業務をこなしたいと思うのはもっともだ。しかし、慢性期病棟では患者が長期入院をしていることを対応のときに配慮しなければならない。長期の入院と治療で不安や不満を抱えている患者が多く、些細な言動や浅はかな対応が患者を傷つけることになってしまう場合もあるのだ。

悩みを抱えている患者を元気付けるのも看護師の重要な役割なので、患者の対応をするときにはできる限り本人のストレスを緩和できるようにするのが大切である。概して抱えている不安などを話したいと思っていることが多いため、聞き耳を立ててみるのが効果的だ。言いたいことがまとまらなくて言葉にならず、話を聞こうとしても時間ばかりが経ってしまうこともよくある。そうだとしても忍耐強く患者の話をしっかりと聞いてあげることで患者のストレスも軽くなるのだ。

このような事情を考慮すると慢性期病棟で看護の担い手になるときには聞き上手を目指すのが重要だとわかる。患者が話をしやすいようにガイドできると互いにストレスが軽減され、患者からもさらに喜ばれるようになる。聞き上手になろうと考えて日々取り組んでいるとそれ自体にやりがいも持てるようになるだろう。慢性期病棟で患者のために活躍する看護師に成長する上での基本として押さえておこう。